1.
FRPって、何?
FRP(Fiberglass Reinforced Plastics)つまりガラス繊維で強化したプラスチックのことである。
FRP材質を成形する為に使用される原材料「不飽和ポリエステル樹脂」とは重合性単量体に溶解した流動性ある粘性液体です。
有機過酸化物(硬化剤)を加えて加熱又は有機過酸化物と指定の促進剤を加えて室温に放置すると、誘導時間経過後、発熱重合反応を起こしてゲル化して、遂に不溶不融の硬質で弾性のある樹脂状に硬化した材質が出来ます。
その樹脂液をガラス繊維の様な補強材に塗布含浸させて積層すると強化プラスチック(FRP)材質が出来ます。
2. FRPの材料特性
1.化学的性能が優秀です。
化学的に安定した素材で、耐水性、耐酸性等、耐薬品性にも優れていますので、樹脂とガラス繊維の品種の組み合わせにより、耐食FRP、耐食ライニングなどにも有用です。
2.機械的強度は大きい。
ガラス繊維の補強材で強化されたFRPは他のプラスチックと比較出来ない様な大きな引っ張り強さや衝撃値を持っているだけでなく、金属材料と比べて惹けをとりません。特に比坑張力の点ではジュラルミンを超える値を示し、現在工業的に入手出来る物のうちでは最高級の軽量構造材としての高性能を誇っています。
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各種構造材料の性能比較 |
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種別 |
比重 |
引張り強さ
MPa |
比杭張力
MPa |
弾性係数
MPa |
衝撃強さ
kj/u |
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ジュラルミン |
2.8 |
370~430 |
133~154 |
69000~74000 |
200~400 |
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アルミニウム |
2.7 |
70~110 |
24~40 |
69000 |
600~900 |
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硬鋼 |
7.85 |
570~700 |
73~87 |
205000 |
400 |
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強化木 |
1.3~1.4 |
190~200 |
140~143 |
24000~28000 |
80~90 |
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FRP板材 |
1.8~1.9 |
290~470 |
164~247 |
1600~2400 |
100~160 |
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硬質塩ビ |
1.4 |
60 |
- |
3000 |
3 |
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(注)比杭張力(引張り強さ/比重) |
3.耐熱性、耐寒性、難燃性、電気的特性に優れている。
耐寒性は−40度C位でも充分に使用出来、耐熱性は一般には100度C前後が普通であり、用途によって樹脂の選択が必要になります。又、難燃性にも優れた物は樹脂を選択する
事により各種規格に合格するFRP材質の製作が可能です。電気的には特にすぐれた絶縁抵抗と耐アーク性を示します。
4.耐候性にも優れています。
全般的に耐候性に優れ、長期間の屋外暴露にも耐えますがゲルコート材質(表面色コーティング樹脂塗料)を選択の際には、更に耐候性の良い物を選択する事によって一層耐候性の良い材質の製作が可能です。
5.寸法精度が良好。
一般に不飽和ポリエステル樹脂の硬化体積収縮率は約6〜10%有りますが、樹脂とガラス繊維の品種を用途に合せて選択する事により成形収縮のほとんどがゼロで美観なる外観と寸法精度の優れた状態の製品が作れます。
6.
成形方法は比較的簡単です。
積層成形には接触圧又は無圧から中圧、高圧と幅広く成形出来、型も石膏型からFRP型、鋳鉄型まで様々な用途とロットに見合った型を使用する事が出来ます。
硬化方法は常温及び加熱により自由に硬化させる事が出来ますので、注形による封入や塗装にも使用可能です。
3. FRPの手作業の過程
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